• 東京大学に眠っていた幻の「黒麹菌」
    世紀を超えて「御酒」は復活しました
    東京大学
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ここが
UTokyo Reserch Products !①

醗酵学の世界的権威、
お酒の博⼠・酒の神様と敬われた
東京⼤学名誉教授 坂⼝謹⼀郎博⼠が
後世に残した数々の贈り物

坂⼝謹⼀郎博⼠

東京⼤学農学部名誉教授
上越市提供 撮影:霜鳥一三氏

農学部で醗酵微⽣物を幅広く研究、それまでの醸造学を基礎と応⽤を併せた醗酵学へ、さらに現在のバイオテクノロジーへと導く。

わが国の醸造学・醗酵学に、いち早く⽣化学的視点を導⼊して、「応⽤微⽣物学」を発展させた偉⼤な先覚者であり指導的研究者。

⻑寿の国沖縄から
世紀を超えた贈り物。
60年あまり、激動の時代を超えて
「幻の菌」復活の道

1945年、3 ヶ⽉にも及ぶ沖縄戦により、酒造所が集中する⾸⾥は壊滅状態に。
百年古酒とともに、戦前の菌はすべて幻と消えたと思われていました。

しかし1998年、分⼦細胞⽣物学研究所(現・定量⽣命科学研究所)のコレクションに、
奇跡的に「瑞泉菌」が真空保存されていることが判明します。

醗酵学の世界的権威、坂⼝謹⼀郎名誉教授が、1935年に沖縄で68の酒造所を回り、約620株の⿊麹菌を採取し東京に持ち帰っていたのです。
その中に、この「御酒」のもとになる瑞泉菌もありました。

⽗祖の酒に余計な名付けは無⽤と、ブランドの区別がなかった昔にすべての泡盛がそう呼ばれたように、銘は「御酒」とされました。

瑞泉酒造は、「戦前の⿊麹菌を使っての復刻泡盛造り」を決断。東京⼤学での培養・分離が完了した後、1999年の年明け早々「幻の菌」は故郷沖縄の⾸⾥に戻り、培養・酒造が開始されました。昔ながらの⼿間のかかる⼿作業を復活・踏襲し、菌の味を忠実に出すことに多くの時間を費やした結果、1999年6⽉1⽇、ついに「幻の酒」が復活したのです。

幻の泡盛 御酒

⽩梅⾹にも似た芳醇な⾹りとまろやかさは、戦前の⿊麹菌特有の⾹味成分をより豊富に⽣成する独⾃の低温醗酵と通⾵製麹法によるものです。

また昔ながらの⼿作業「すくい取り法」で丁寧に仕込み、低温冷却とカメ貯蔵を⾏うことで早期熟成が促進され、よりまろやかな味わいに仕上がっています。

琉球王朝末期から代々受け継がれ、齢百歳以上といわれる幻の泡盛「御酒」。
時空を超えた⾄福の喜びと味わいをお届けします。

坂⼝謹⼀郎博⼠が戦中に
収集した麹菌株を使⽤し、
東京⼤学の農場で収穫した
お⽶で作った「博⼠の⽢こうじ⽢酒」

麹菌は、⽇本の伝統的醸造産業に使⽤されている微⽣物であり、⽇本酒・醤油・味噌などの製造を通じて和⾷の味を⽀えてきました。このような⽇本⼈との深い関わりにより、麹菌は⽇本を代表する微⽣物「国菌」として認定されています。

東京⼤学⼤学院農学⽣命科学研究科では、100年以上にわたる伝統を脈々と受け継ぎながら、醸造微⽣物について最先端の研究に取り組んでおり、2011年には本研究科丸⼭潤⼀特任准教授(当時助教)らが、ビタミンの⼀種ビオチンをつくる仕組みの⼀端について、麹菌を⽤いた研究により世界で初めて発⾒しました。

⽢酒は、麹菌によってお⽶のデンプンが糖に分解された⽇本の伝統的な⽢味飲料です。麹菌が作りだすビタミンなどの機能性成分を豊富に含んでおり、江⼾時代には暑い夏を乗り切るために飲まれていた昔ながらの栄養ドリンクです。

丸⼭特任准教授らは、麹菌による⽢酒の良さを広めたいとの思いを込めて、〝酒の博⼠〟と称される坂⼝謹⼀郎東京⼤学名誉教授が戦中までに収集した麹菌株を使⽤した⽢酒を開発することになりました。

麹菌の電⼦顕微鏡による写真

坂⼝謹⼀郎名誉教授と戦中にかけて収集した麹菌の論⽂(1944年発表)

坂⼝謹⼀郎名誉教授が戦中までに収集した麹菌株の写真

東京⼤学⼤学院農学⽣命科学研究科附属⽣態調和農学機構の農場(東京・西東京市)で収穫されたお⽶

⽬指したのは
「⽇本のぶどうでつくる
⽇本のワイン」
⽇本ワインの明⽇を
拓いた科学者の眼差し。

赤ワイン UTokyo

例年にない豪雪に⾒舞われた1927年、新潟県上越市のブドウ園で、新たな品種が交雑されました。⽇本のワインブドウの⽗・川上善兵衛が⽣み出したこの品種は、交雑番号3986、後に「マスカット・ベーリーA」と名づけられました。

善兵衛の研究を⽀えたのは「お酒の博⼠」坂⼝謹⼀郎名誉教授でした。⽬指すのは、「⽇本のぶどうでつくる⽇本のワイン」。優れたワインを⽣み出す、⽇本の⾵⼟に適した品種の開発によって⽇本のワインの礎を築いていきました。

「赤ワイン UTokyo」は川上善兵衛が上越市に作った岩の原葡萄園で作られたワインです。

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